小国宮原線廃線跡に残る橋梁

昭和29年(1954)に全線開通し、熊本県肥後小国駅から大分県久大本線恵良駅まで走っていた宮原線
(みやのはるせん)が廃止になったのは、昭和59年(1984年)11月30日のこと。
その歴史を逆登ると、まず昭和12年(1937)に恵良駅〜宝泉寺駅間が開業、しかし、その後戦争により
昭和18年(1943)〜23年(1948)までは休止され、この年やっとの思いで復活し、昭和29年(1954)
に念願の
全線開通に至った。
廃線から20年、一時は忘れ去られたかに思えたこの廃線跡が、以外な物で話題になっている。それがこの
橋梁(コンクリートアーチ橋)群である。
聞くところによると小国町だけで
7基が現存しており、これらの橋梁は昭和12年から14年にかけて架橋され
ていることから、戦前の鉄不足により、骨組みに鉄ではなく竹を使った、いわゆる
竹筋橋ではないかと噂されて
いる。最近では本格的調査も行われ、コンクリートよりやわらかく竹に近い硬さの何かが骨組みに使われている
のは間違いないとのこと。もし
竹筋橋であれば全国で3例しか存在しない非常に貴重なコンクリート橋梁群
いうことになり、今後の
観光資源としても期待されている。


それでは橋梁群の旅を旧肥後小国駅からスタートさせましょう!!
道の駅「小国ゆうステーション」から国道212を杖立方面へ進み、県道318へ右折、程なく走ると橋梁群の中で最も有名な
「幸野川橋梁」が姿を現します。スパンドレルと呼ばれる小窓をあしらった貴婦人を思わせるその優雅なシルエットからは、
設計者のセンスの良さが伺えます。

幸野川(こうのがわ)橋梁■ 撮影:平成17年(2005年)1月9日
熊本県阿蘇郡小国町大字宮原字西村 全長:116メートル(6連) 架橋年:昭和14年頃 設計:鉄道省熊本建設事務所

幸野川橋梁から県道318を奴留湯温泉方面へ東進、国道387と交差する手前右手に木魂館が、
そしてその東隣に「北里橋梁」が現れます。

北里(きたざと)橋梁 撮影:平成17年(2005年)1月9日
熊本県阿蘇郡小国町大字北里字北里  全長:60メートル(5連) 架橋年:昭和13年頃 設計:鉄道省熊本建設事務所

ここからは、国道387を西里方面へ進ませると右手遠方に「堂山橋梁」(下写真右)と「塩井川橋梁」(下写真左)が
見えてきます。そこから山川温泉方面に下りるとすぐ近くまで行くことが出来ます。堂山橋梁の近くには蛍の里温泉があります。

塩井川橋梁■                                    ■堂山橋梁

ここからの眺めが最高です!!
堂山橋梁■ 撮影:平成17年(2005年)1月9日
熊本県阿蘇郡小国町大字北里字塩井川 全長:36メートル(3連) 架橋年:昭和13年頃 設計:鉄道省熊本建設事務所

塩井川(しおいがわ)橋梁 撮影:平成17年(2005年)1月9日
熊本県阿蘇郡小国町大字北里字塩井川 全長:36メートル(3連) 架橋年:昭和13年頃 設計:鉄道省熊本建設事務所

一旦、国道387に戻り、再び西里方面へ進みます。程なくはげの湯方面への旧道入り口がありますからそこを右折して
すぐの左手山中に「堀田橋梁」が現れます。橋の手前を下りて行くと反対側を見る事が出来ますよ。

堀田(ほりた)橋梁■ 撮影:平成17年(2005年)1月9日
熊本県阿蘇郡小国町大字北里字堀田 全長:46メートル(4連) 架橋年:昭和13年頃 設計:鉄道省熊本建設事務所
この「堀田橋梁」は、まだ観光ルートに入ってませんので、
橋の下は地域住民の資材置場となっております。
賛否両論ありますが、廃線後に完全に忘れ去られるよりも、
こうした形ででも住民の役に立っている事の方が幸せなことかも
知れませんね。ただし、ごみ置き場だけにはなって欲しくありません。

「堀田橋梁」から国道387に戻り100メートルほど西里方面に進むと左手に小道が見えてきます(かなり注意して見ていないと
見過ごしてしまいます)そこが宮原線廃線跡です。そこを10メートル程徒歩で進むと、森へ吸い込まれているかのごとき
「菅迫橋梁」の雄姿に出会えますが、残念ながら柵で進入出来ないようにしてあります。あまりお勧めできませんが柵の手前から
山に入れますから十分注意しながら橋の下まで降りてみました。周りが杉の木で覆われ、撮影にはかなり困難を要しますが
どうにか撮れたのが下の画像です。

菅迫橋梁(すげのさこ)■ 撮影:平成17年(2005年)1月10日
熊本県阿蘇郡小国町大字北里字大平 全長:136メートル(11連) 架橋年:昭和12年頃 設計:鉄道省熊本建設事務所
径間長10mで11連のアーチが連続し、まるで森の中に
吸い込まれているかのごとき、この「菅迫橋梁」
橋長136m7基の中で最大規模を誇ります。


またまた国道387に戻り、さらに西里方面に進みます。道が狭くなりますがそのまま行くと、とうふ料理で有名な「岡本とうふ店」があります。
その店を過ぎたらすぐに「ニコットファーム」の案内板がありますから、そこを右折してさらに狭い道を登ります。登りきったらまた「ニコット
ファーム」の入り口看板が出てますので、そのまま入って行くと200メートル程で眼下にこの見事な「廣平橋梁」が見えてきます。
ここもお勧めの絶景ポイントです!!

廣平(ひろだいら)橋梁 撮影:平成17年(2005年)1月9日
熊本県阿蘇郡小国町大字西里字中尾 全長:80メートル(9連) 架橋年:昭和12年 設計:鉄道省熊本建設事務所

写真左、左上に見える山は標高1500メートルの湧蓋山(わいたさん)です。

上に見える赤い建物がニコットファームです。この橋を渡り
100メートル程進むと岡本豆腐店から東へ登る道へ出ます。
このルートは小国町の「九州ツーリズム大学事務局」嵩様より
教えていただきました。

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